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所得税とは?仕組み・計算方法・控除の種類を分かりやすく解説

会社員などの場合、毎月の給与明細を見ると、必ず引かれている「所得税」。天引きされているのは分かっていても、「どうやって計算されているのか」「自分はちゃんと得できているのか」を正確に理解している方は意外と少ないものです。

本記事では、所得税の基本的な計算の流れから控除の種類、2025年の改正ポイントまで、初めての方にも分かりやすく解説します。

所得税とは?誰がどんなときに払うのか

所得税は、個人の「所得(収入から必要経費等を差し引いた利益)」に対してかかる国税です[注1][2]。年間の所得金額から各種控除を引いた「課税所得金額」に税率をかけて税額が決まります。

会社員・パート・フリーランス・自営業者など、所得がある人はすべて対象です。会社員や、一定の要件を満たすパートの場合は、会社が毎月の給与から所得税を天引き(源泉徴収)し、年末調整で過不足を精算するため、多くの方は確定申告を必要としません。

ただし、副業収入・不動産収入・一時的な大きな収入がある場合や、医療費控除・ふるさと納税などを申告したい場合は、自分で確定申告を行う必要があります。また、途中で会社を退職や転職をした場合は、確定申告が必要なケースもあります。

[注1]国税庁「所得税のしくみ」

[注2]国税庁「No.1000 所得税のしくみ」

所得税の計算ステップ|収入から納税額が決まるまで

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所得税の計算は、次の4ステップで進みます。仕組みを順番に理解するだけで、控除の使い方が大きく変わります。

STEP 1|収入金額 必要経費等 = 所得金額
給与所得の場合は「給与所得控除」が必要経費の代わりに自動的に差し引かれます。

STEP 2|所得金額 所得控除額 = 課税所得金額
基礎控除・配偶者控除・医療費控除など各種控除をここで引きます。

STEP 3|課税所得金額 × 税率  控除額 = 所得税額
税率は5%45%7段階の超過累進課税。課税所得が多いほど高い税率が適用されます。

STEP 4|所得税額 + 復興特別所得税(所得税額の2.1%)  源泉徴収税額等 = 納税額
復興特別所得税は令和191231日まで徴収されます。

所得の10種類を知っておこう

所得税の課税対象となる「所得」は、その性質によって10種類に分類されています。自分の収入がどれに当たるかを把握しておくと、申告が必要かどうかの判断に役立ちます。

所得の種類

主な内容・具体例

①給与所得

会社員・パートの給与・賞与。給与所得控除が自動的に適用される

②事業所得

個人事業主・フリーランスの事業収入。必要経費を差し引いて計算

③不動産所得

土地・建物の賃貸収入。管理費・修繕費・減価償却費などが経費に

④雑所得

年金収入・副業(アフィリエイト・ネット販売など)・講演料・原稿料など

⑤退職所得

退職金。退職所得控除が大きく、税負担が軽くなるケースが多い

⑥配当所得

株式や投資信託の配当金

⑦利子所得

預貯金の利子(原則として源泉分離課税)

⑧譲渡所得

土地・建物・株式などを売却したときの利益

⑨一時所得

生命保険の満期保険金・懸賞金・ふるさと納税返礼品(高額な場合)など

⑩山林所得

山林を伐採・売却したときの所得

副業をしている方は「雑所得または事業所得」に当たるケースがほとんどです。副業による所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。なお、副業の所得が年間20万円以下の場合、確定申告は原則不要ですが、別途住民税の申告が必要となります。

速算表で税額を計算してみよう

所得税の税率は、課税所得が多いほど高い税率が段階的に適用される「超過累進税率」です[注3]。税額は「課税所得金額 × 税率控除額」の速算式で求められます。

課税所得金額

税率

控除額

1,000円〜1,949,000

5%

0円

1,950,000円〜3,299,000

10%

97,500円

3,300,000円〜6,949,000

20%

427,500円

6,950,000円〜8,999,000

23%

636,000円

9,000,000円〜17,999,000

33%

1,536,000円

18,000,000円〜39,999,000

40%

2,796,000円

40,000,000円以上

45%

4,796,000円

【計算例】課税所得が700万円の場合
700万円 × 23% − 636,000円 = 974,000円(所得税額)

さらに復興特別所得税を加算:
974,000円 × 2.1% ≒ 20,454

実際の納税額:974,000円 + 20,454 ≒ 994,454円(約99.4万円)
※課税所得金額は1,000円未満の端数を切り捨てて計算

[注3]国税庁「No.2260 所得税の税率」

所得控除とは?節税に使える控除を知ろう

所得控除とは、課税所得金額(税金計算のベースとなる金額)を減らすことで税負担を軽くする仕組みです。控除の種類と適用金額が多いほど、最終的な納税額は少なくなります。

所得控除には全部で15種類があり、令和7121日以降は「特定親族特別控除」が加わり合計16種類となりました。給与所得者の多くは、主要な控除を年末調整で自動適用できますが、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などは自分で確定申告することで初めて適用されます。また、生命保険料控除など、年末調整で所得控除を書き忘れてしまった場合でも、自分で確定申告をすることで、所得控除が適用されます。

2025年大改正】所得税の何がどう変わった?

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2025年(令和7年)は、所得税に関する大型の税制改正が行われました。基礎控除・給与所得控除・扶養控除等の所得要件が同時に見直され、多くの方の手取り額と税負担が変わっています。

最も注目されるのが「いわゆる年収の壁」の変更です。給与所得者が所得税を払わずに済む給与収入の目安が、これまでの「103万円」から「160万円(給与所得控除65万円+基礎控除95万円)」に変更されました。[注4]

[注4]首相官邸「「年収の壁」対策」

確定申告が必要なのはどんな人?

給与所得者は会社の年末調整で所得税の精算が基本的に完結します。しかし、一定の条件に当てはまる場合は、翌年216日〜315日の期間中に自分で確定申告を行う必要があります。

確定申告は、追加納税が必要なケースだけでなく、払いすぎた税金が戻ってくる「還付申告」の機会でもあるのです。下記に当てはまる方は、ぜひ申告を検討してください。

【申告が必要なケース】
・給与収入が2,000万円超
・副業・フリーランス収入が年間20万円超(雑所得または事業所得)
・不動産収入がある
2か所以上から給与をもらっている
・株・投資信託などを売却して利益が出た(申告分離課税が必要な場合)

【申告することで税金が戻る(還付申告)ケース】
・年間医療費が10万円を超えた(医療費控除)
・ふるさと納税をした(ワンストップ特例を使わない場合)
・住宅ローンを組んだ(住宅借入金等特別控除・初年度は確定申告が必要)
・年の途中で退職し、年末調整を受けていない
・令和7年度改正で新たに扶養控除等の対象となった親族がいる
・年末調整で書き忘れた所得控除がある

年末調整を済ませた給与所得者でも、上記に該当する場合は確定申告が必要または有益です。

まとめ

所得税の仕組みは「課税所得 × 税率」というシンプルな計算式で成り立っています。

しかし、控除の種類は多く、2025年(令和7年)には大型改正もあったため、最新の情報を踏まえた理解が大切です。「自分の状況がどう変わったか」を確認し、申告できる控除を漏れなく活用することが、手取りを増やすための確実な方法です。

資産運用・保険・老後資金の準備と合わせて所得税の対策を考えたい方は、ぜひ北海道銀行の窓口へお気軽にご相談ください。

※本記事は2026年3月16日時点の情報を基に執筆しております。

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【監修者】

下中英恵

▼プロフィール

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)

東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています。

http://fp.shitanaka.com/