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価値観で選ぶ、ふたりらしい結婚式・出産マネープラン

「結婚式には平均343.9万円(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)」「子育てには平均2,000万円〜4,000万円」こうした情報を目にして、これからの生活が不安になっていませんか? しかし、これらの「平均」はあくまで統計的な数値であり、個々の家族の価値観やライフスタイル、収入状況を反映したものではありません。「平均」に自分たちを無理に合わせようとすると、不要なストレスを感じたり、本当に大切にしたいことを見失ったりする可能性があります。

この記事では、すべてを我慢する「節約」ではなく、かけるべきところにはしっかりお金をかけ、こだわらない部分は賢くコストを抑える「メリハリ」のあるお金の使い方を紹介します。ふたりの価値観を軸にした計画で、満足度の高いスタートを切りましょう。

ふたりの価値観を整理しよう

準備の第一歩は、ふたりにとっての幸せの形を共有し、お金の優先順位を決めることです。世間の常識ではなく、「ふたりの満足度」をものさしにすることが、後悔しない選択につながります。

まず、お互いに「絶対にこだわりたいこと」「できればやりたいこと」「特にこだわらないこと」を書き出してみましょう。例えば、「結婚式で最も記憶に残したい瞬間は何か?」「子どもの成長で、どんな経験に最も価値を感じるか?」といった具体的な問いかけをすることで、より深くふたりの本質的な価値観が見えてくるでしょう。そしてリストを見せ合い、ふたりが共に「こだわりたい」と考える項目こそ、お金をかけるべきポイントです。

逆に、ふたりとも「こだわらない」という項目は、節約できる候補になります。この対話が、ふたりらしい家計の土台を築きます。

【結婚式編】お金をかけるポイントと、賢く節約できるポイント

ここでは、どのようなことにお金をかけると満足度につながりやすく、また、どのような部分で節約の工夫ができるのか、その考え方のヒントをいくつか紹介します。これらを参考に、先ほど話し合った「ふたりの価値観」に沿って、自分たちの場合はどうするかを考えてみてください。

【考え方のヒント】満足度につながりやすい項目

1. 料理・飲み物
ゲストの満足度に直結し、おもてなしの心が最も伝わるのが料理です。一般的に、料理・飲み物の費用は結婚式総額の約20~30%を占めますが、これを充実させることで「料理が美味しかった」という記憶がゲストの満足度を大きく左右します。

2. 写真・映像
当日の「形のない思い出」を、いつでも見返せる「形」として残せるのが写真や映像の魅力です。多くの新婚夫婦が「残してよかった」と口にするのが、プロによる写真・映像です。高額になりがちですが、式の感動的な瞬間やゲストの笑顔を鮮明に記録することは、数十年後も価値を持ち続ける「一生もの」の投資となります。専門家による適切な構図や編集は、素人では再現できない品質をもたらします。

3. ゲストへのおもてなし
ふたりの気遣いや感謝の気持ちが直接伝わる部分です。遠方からのゲストへの交通費補助や、受付を依頼した友人へのお礼などは、式全体の印象を温かいものにします

【考え方のヒント】節約しやすい項目

1. ペーパーアイテム(招待状・席次表など)
式場以外にも選択肢が豊富で、自分たちの手間や工夫がコスト削減に直結しやすい項目です。式場に依頼するよりも、外部の印刷会社を利用することで20~50%程度の費用削減が期待できます。また、無料テンプレートや手作りキットを活用すれば、さらにコストを抑えつつ、ふたりらしいオリジナルデザインのアイテムを制作することも可能です。

2. 装花・装飾
使う花の種類やボリューム、手作りアイテムの活用など、工夫次第で費用をコントロールしやすい部分です。例えば、生花を減らして造花や持ち込みアイテムを増やす、高価なバラなどを避け「旬の花」や「グリーン(葉物)」を多めに使うといった工夫で、数万円から十数万円のコスト削減が可能です。また、高砂(メインテーブル)を豪華にし、ゲストテーブルはシンプルにするなど、メリハリをつけることも有効です。

3. 演出関連のアイテム
必ずしもお金をかけなくても、アイデア次第でゲストを楽しませることができるのが演出関連です。プロフィールムービーの自作や、ゲスト参加型のクイズなどは、費用を抑えつつ会場の一体感を高めることができます。

【出産編】本当に全部必要?「ミニマル子育て」準備術

赤ちゃんを迎える準備では、「本当に全部、新品で買う必要があるの?」という視点を持ち、「ミニマル子育て」を意識することが大切です。

「買うべき物」と「レンタル・お下がりで十分な物」の見極め方

赤ちゃんの成長は驚くほど早く、高価なベビー用品もあっという間に使わなくなります。使用期間が短いものは、レンタルやお下がりを賢く活用しましょう。

アイテム例 見極めのポイント
買うべき物 肌着、哺乳瓶の乳首、おむつ、チャイルドシート ・肌に直接触れる衛生的な物
・消耗品
・赤ちゃんの安全に直結する物(※)
レンタル向き ベビーベッド、ベビースケール、ハイローチェア ・使用期間が数ヵ月と短い物
・高価で場所を取る物
・赤ちゃんに合うか試したい物
お下がり向き ベビーカー、バウンサー、抱っこ紐、ベビー服 ・汚れや傷が気にならない物
・信頼できる友人や親戚から譲ってもらえる物

※チャイルドシートは安全基準を満たした新品の購入が推奨されますが、中古品を利用する場合は製造年や使用状況を必ず確認しましょう。

自治体のサービスをフル活用!意外と知らないお得情報

出産や子育てに関しては、国や自治体で多くの支援制度が用意されています。 申請が必要な場合が多いため、自分で調べて行動することが大切です。まず、全国共通で利用できる主な制度はこちらです。

・出産育児一時金
子ども一人につき、原則50万円が健康保険から支給されます。

・妊婦健診の助成
健診費用の多くをカバーする受診券(補助券)が自治体から配布されます。

・出産手当金・育児休業給付金
産休・育休中に、健康保険や雇用保険から給付金が支給されます(会社員などが対象)。

さらに、自治体ごとに独自の支援も多数あります。

・産後ケア事業
助産師などによる育児サポートや心身のケアを、宿泊や日帰りで受けられます。

・子育て支援パスポート
地域の協賛店で割引やサービスが受けられる制度です。

・ファミリー・サポート・センター
子どもの送り迎えや一時預かりなど、地域住民同士の助け合いによるサポートが受けられます。

制度の内容や条件は自治体によって異なります。「自治体名+出産 支援」などで検索してみましょう。

メリハリで生まれたお金は「未来」へ投資しよう

結婚式や出産準備で賢くメリハリをつけ、費用を抑えることができたら、そのお金で何をしますか? 節約は、ふたりの「未来」をより豊かにするためのスタートです。生まれた余裕資金は、ぜひ未来への投資に回しましょう。

・短期的な楽しみ(思い出作り)
新婚旅行のグレードアップ、こだわりの家具や家電の購入など。

・中期的な備え(ライフプラン)
マイホームの頭金、子どもの教育資金の準備など。

・長期的な安心(資産形成)
NISAやiDeCoなどを活用した老後資金の準備など。

ふたりらしいお金の使い方で、最高のスタートを切ろう

最も大切なのは、ふたりでしっかり話し合い、「どこにお金をかければ、ふたりの人生は豊かになるか」という共通の答えを見つけ出すこと。そして、かけるところにはしっかりかけ、抑えるところは賢く抑える「メリハリ」を実行することです。

このメリハリ思考こそが、満足度を保ちながら費用を無理なく調整する鍵になります。ぜひこの記事を参考に、ふたりらしい最高のスタートを切ってください。